有限責任監査法人

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有限責任監査法人

投稿日:2016-02-21

更新日:2016-02-22

2016年7月1日から、PwCあらた監査法人が有限責任監査法人に移行すると発表しました。
そこで今回は有限責任監査法人について説明します。

監査法人と無限責任の原則

監査法人は公認会計士法の規定に基づき、5人以上の公認会計士が集まって組織される法人であって、株式会社とは異なり、出資者である社員は連帯無限責任を負うのが原則です。

この場合、例えば特定の事案について損害賠償責任を負う事になり、その支払が監査法人の財産で賄いきれない事態が生じた場合は、事案への関わりに関係なく全ての社員は連帯することが義務付けられ、その責任は私財にも及ぶという非常に厳しいものでした。

指定社員制度

比較的小規模の監査法人であれば、社員である公認会計士個人による相互の監視・牽制が期待されますが、今日の大規模監査法人は個人の管理能力の限界を大きく超えた規模となっています。
こうなると、社員間の相互牽制に頼るのではなく、組織的にガバナンスを整備すべきものであることから、個人財産を担保とした組織ではなく、法人の財産を担保財産とする事が合理的となります。

大規模化の過程で監査法人の事業の専門分化が進んだ結果、自らが関与していない監査証明業務で発生した損害まで無限責任を負わせるのは社員にとって酷であるということから、2004年に指定社員制度が導入され、個別の監査証明業務については、監査報告書に業務執行社員としてサインした指定社員のみが、法人と連帯して無限責任を負い、それ以外の社員は出資額を限度とした有限責任とすることが認められました。

ただし、この責任関係は監査証明業務における被監査会社に対する責任についてのみ成立するものであり、株主その他の第三者に対する損害賠償や監査証明業務以外から生じた債務については、すべての社員が連帯無限責任を負う事は避けられませんでした。

有限責任監査法人制度

その後、2008年に創設された有限責任監査法人制度では、監査証明業務における第三者に対する責任については指定有限責任社員を除き、監査証明業務以外から生じた債務についての責任はすべての社員が無限責任を負わないことが認められました。

有限責任監査法人となるための条件

有限責任監査法人は監査法人の責任を限定する事になるため、登録制となっており、財務基盤の要件とディスクロージャーの要件が課されています。
財務基盤の要件としては、一定の資本金以上であることに加え、一定の財産を供託する事が求められます。
他方でディスクロージャーの要件としては、計算書類の公衆縦覧が求められ、更に一定規模以上の監査法人の場合は上場企業のように監査証明を得る事が求められます。

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